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2008年09月12日(金) 17時01分

事故米食用転売:虚偽報告の井之上製粉「迷惑かけた」と陳謝 /宮崎毎日新聞

 三笠フーズ(大阪市)の事故米転売問題で、農林水産省への虚偽報告を明らかにした都城市の井之上製粉。会見に臨んだ上村靖己専務は「菓子業者には卸していない。関係業者に大変なご迷惑をかけた」と苦渋の表情で、陳謝した。【小原擁】
 農水省の立ち入り調査があったのは今年9月4日。この際、同社は昨年12月21日に熊本県内の米卸業者から仕入れた4トンの中国産米に、国産米を混ぜて製粉にし、県内27社の菓子業者に卸したと説明していた。しかし、実際は4トンの米を精米して宮崎市内の餅屋1社に転売していた。
 虚偽の報告をしたことについて上村専務は「加工米として仕入れたのに製粉にしなかったので、まずいと思ってうそをついた」などと明かした。
 九州農政局宮崎農政事務所は「10日夕に同社から虚偽報告をしたとの連絡があった。今後、詳しく販売ルートを調査したい」と話している。
 また、東国原英夫知事も「農水省に虚偽報告して事故米を横流ししていたことは誠に遺憾。論外だ」と述べた。
 ◇別ルートで菓子業者など70〜80社に流通
 九州農政局宮崎農政事務所によると、農薬メタミドホスに汚染された事故米が、井之上製粉とは別のルートで県内の和菓子業者など70〜80社に流通していたことが判明した。同事務所によると、県内の米卸業者が、井之上製粉と取引したのとは別の熊本の米卸売業者から製粉を仕入れて、販売していたという。同事務所は「健康被害の恐れはない」などとしている。

9月12日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080912-00000299-mailo-l45