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2008年09月12日(金) 15時05分

汚染米転売 三笠フーズ 強制捜査へ 熊本県警 公正な競争妨害容疑西日本新聞

 米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の汚染米不正転売問題で、農林水産省から不正競争防止法違反(誤認表示)容疑での告発を受理した熊本県警は12日、三笠フーズと、グループ会社の米穀卸会社「辰之巳」=いずれも社長は冬木三男氏=に対して近く強制捜査に乗り出す方針を固めた。両社は同県城南町の酒造会社「美少年酒造」に「国産100%」とする証明書を添付して汚染米を販売した疑いが持たれており、熊本県警は「不当な利益を得る目的だった可能性が強い」と判断した。 

 三笠フーズについて農水省は熊本県警のほか、大阪府警、福岡県警にも告発を検討している。熊本県警は同省や両府県警と協議し、強制捜査時期を最終判断するとみられる。

 農水省の調べでは、三笠フーズと辰之巳は基準値の3倍の殺虫剤アセタミプリドが検出されたベトナム産うるち精米について「国産100%」の食用とする偽の証明書を作成。今年1月から5月にかけて「美少年酒造」に対し、32・4トンを偽の証明書を添え、本来の工業用事故米の価格の10倍以上となる1キロ当たり100円程度で販売、不当な利益を得て公正な競争を妨げた疑い。

 「美少年酒造」によると、同社は「辰之巳」と40年ほど前から取引があり、毎年70トン近くの破砕米を購入。国産米証明書は年2回、商品の納入前に届き、直近の3月17日付の証明書には「貴社に納品しております特定米穀破砕白米(80%)は、国産100%原料を使用しておりますことを証明し、ここにご報告させていただきます」と記載されていた。

 問題発覚後、「美少年酒造」は「辰之巳」に汚染米混入の可能性を照会したが、今月8日に同社から「混入は一切ありません」という文書がファクスで届いたという。「美少年酒造」も詐欺の疑いなどで刑事告訴を検討している。

=2008/09/12付 西日本新聞夕刊=

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