記事登録
2008年09月12日(金) 14時36分

事故米の扱いは14年から 「三笠フーズ」宮崎親子が裏帳簿を処理産経新聞

 大阪市の米粉加工販売会社「三笠フーズ」による事故米の不正転売問題で、宮崎一雄・非常勤顧問(76)が今年夏、農薬メタミドホスに汚染された事故米を出荷する際、「伝票や納品書はこちらで作る」と同社の事務員に指示していたことが12日、分かった。今年5月ごろまで九州事業部長を務めていた息子の宮崎雄三・営業課長(49)が裏帳簿の作成にかかわっていたことも同社の調査で判明。宮崎親子が九州工場で不正転売先の確保や偽装工作などの実務を担っていた疑いが濃厚となった。

 三笠の幹部によると、宮崎顧問が自ら伝票などを作成したのは、同社の倉庫に約1年間保管されていたメタミドホス汚染米の一部。佐賀県の仲介業者と宮崎顧問が個人経営するサン商事を経て、米穀店などに流通していた。

 農林水産省が今年8月末、福岡県内の米穀加工業者でこの汚染米の一部55トンを未開封の状態で発見。三笠フーズが流通経路をさかのぼるなどして調査したところ、九州工場の事務員が「宮崎顧問から『伝票や納品書はこちらで作るから(しなくて)いい』と言われた」と証言した。

 さらに九州工場の作業員は同社の調査に対し、カビが生えるなどした事故米を正規米に1割程度ブレンドして出荷する際、「雄三課長から『これは帳簿処理が済んだから使ってもいいよ』と指示された」と話したという。

 また、宮崎顧問がかつて経営し、事故米の取り扱い資格を持つ「宮崎商店」と三笠の契約書が見つかり、平成14年1月に三笠に営業権が譲渡されていたことも判明した。三笠が事故米の取り扱いを始めた時期は、冬木三男社長(73)が記者会見で述べた「5〜6年前」だったことが裏付けられた。

【関連記事】
【事故米不正転売】情報開示遅れ、状況認識甘さも 太田農水相
【事故米不正転売】「学校給食にはない」鈴木文科相
売買を全面廃止へ 輸出国に返品、制度を改正
【事故米不正転売】ノノガキと三笠が謝罪
【食にメス】汚染米不正転売 消費者など眼中にない農水省

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080912-00000954-san-soci