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2008年09月12日(金) 13時35分

【事故米不正転売】情報開示遅れ、状況認識甘さも 太田農水相産経新聞

 米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の汚染された事故米が病院給食用などに使用された問題で、12日に会見した太田誠一農水相は「直接口に入れるものなので、重く受け止めている」と述べ、早急に事実関係の解明を進める意向を示した。一方で、「焼酎は製造過程で無害化されることもある」「(メタミドホスの混入は)ギョーザ中毒事件と比べれば60万分の1の量」などと発言し、農水省の情報開示の遅れとともに、状況認識の甘さも露呈した。

 太田農水相は事故米が病院給食用に消費された可能性があることについて、焼酎など加工品の混入と比較し、「一層深刻に受け止めている」と述べた。だが、給食用に使用された事実を報告された時期を質問され、「昨日か一昨日か…思いだせない」と回答。「深刻に受け止めているのに忘れたのか」と突っ込まれると、「毎日いろんなことがあるから。記憶がない訳ではなく自信がないだけだ」と強弁した。

 一連の問題では、三笠フーズから事故米を購入した業者名の公表が遅れるなど、農水省の情報開示のあり方も問題となっており、会見では質問が殺到。太田農水相は「事実関係が確認できないと公表はできない」と繰り返した。

 また、「福徳長酒類」(東京)が自主回収を始めたというニュースも会見中に入ったが、「そうした事実は把握していない」。

 農水省が過去5年間で100回近く三笠フーズに立ち入り検査を行ってきたにもかかわらず、不正を見つけられなかったことについて、太田農水相は「コメの流通は農水省の責任なので、長年不正を見抜けなかったのは残念」と農水省の責任を認めたうえで、担当部局の処分を検討していることを明らかにした。

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