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2008年09月11日(木) 13時38分

腎臓結石の乳児、発症例7省に拡大…同一粉ミルク使用サーチナ・中国情報局

 甘粛省で6月28日以来、1歳未満の乳児14人が腎臓結石を発症していた件に絡み、7つの省で同様の症状が乳児に出ていたことが分かった。いずれも長期にわたって同一商品の粉ミルクを使用していた。広州日報などが伝えた。

 これまでに、同じ粉ミルクを使用した乳児で腎臓結石患者が確認されたのは甘粛省、湖南省、湖北省、山東省、安徽省、江西省、江蘇省の7つの省。これまで、南京市では、10人の患者が出た。湖北省武漢同済医院(病院)では、2007年は同症状の乳児患者が1例しかなかったが、08年には6人を治療したという。

 8日に発症者多発を明らかにした甘粛省蘭州市の中国人民解放軍第一医院泌尿科の李文輝医師は、乳児の結石は尿酸を多く含んでいたが比較的珍しいタイプで、脂肪やたんぱく質の摂取量が不足しために代謝異常が発生したとの見方を示した。

 中国では2003年から04年にかけて、安徽省で生産された劣悪な品質の粉ミルクが原因で、同省内だけで10人以上の乳児が死亡した事件が発生し、「毒ミルク事件」として大きな問題になった。

 2008年の乳児の腎臓結石多発は、使用していた粉ミルクとなんらかの関係があるとの考えが見方りつつあり、被害範囲は03−04年の「毒ミルク事件」より広まるとの観測も出ている。

 中国では4月、国外ブランドの粉ミルクが5−30%、国内ブランドは10−20%値上がりした。腎臓結石の多発との関係が疑われている粉ミルクは安価な商品で、収入が少ない家庭が多い農村部の購入者が多かったという。

 写真は北京市内で4月に開催された妊娠した女性と児童のための商品展示即売会。羊の乳を加えた高級商品がよく売れたという。一方、粉ミルクの値上がりは貧困な家庭の家計への影響が大きかったとされる。(編集担当:如月隼人)

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