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2008年09月11日(木) 22時01分

事故米不正転売 病院で高齢者施設で産経新聞

 米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)の汚染米不正転売問題で、同社が販売した事故米を含む中国産もち米約700キロが給食大手「日清医療食品」(東京都千代田区)に流通していたことが12日、大阪府などの調査で分かった。

 もち米は、同社が近畿2府4県で契約している病院や高齢者施設119カ所で使われ、多くはすでに消費された。もち米は農薬に汚染された可能性が高いが、健康被害の報告はないという。加工原料以外で汚染米が食用に流通したことが初めて判明し、被害が広がる恐れが出てきた。

 大阪府などによると、三笠フーズから食用として販売された事故米の中国産もち米は、複数の仲介業者を通じ、大阪府の業務用食品卸会社が今年5月〜8月、計約700キロを購入。このもち米を、日清医療食品が近畿で給食提供契約を結んでいる119の病院や老人福祉施設で提供するために購入し、今年5月から9月8日までの間、業務用食品卸会社から各施設に納入され、順次、使用されたとしている。

 同社は、9月8日夜、もち米を購入した業務用食品卸会社から「汚染された事故米の可能性がある」と連絡を受け、使用中止にしたという。

 このもち米が給食として使われた施設は、大阪市では9病院、4老人福祉施設の13施設で、少なくとも72キロが納入され、残りは約6・5キロだけだった。患者や入所者、職員向けの給食材料として、赤飯やおはぎなどの材料として使われたという。このほか、堺市の4施設で23キロが納入され、すべて消費されていた。京都市では少なくとも10施設、和歌山県内で3施設あるという。

 各自治体は、消費された状況の確認のための立ち入り調査をしており、残った分については、返品するよう指導している。

 三笠フーズが所有していた中国産もち米は、有機リン系の農薬成分、メタミドホスの残留量が高く、食用としては流通できないため工業用として18、19年度に政府から購入していた。三笠フードが購入したもち米の全量は800トンで、今回、日清医療食品に流通した約700キロも、この一部とみられる。

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