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2008年09月11日(木) 15時36分

フリースクール 手錠使用は事故きっかけ 京都府・消防 避難経路を調査産経新聞

 京都府京丹波町の「丹波ナチュラルスクール」虐待事件で、抵抗する入所予定者を強制的に施設に連れてくる際に手錠で拘束するようになったのは、平成17年に少年を移送していた施設の車が東京都内で死亡事故を起こしたことがきっかけだったことが11日、府警の調べでわかった。

 一方、施設では入所者が事実上の軟禁状態にあり、府と地元消防は同日、火災発生時の避難経路などに問題がないか、合同で施設を調査した。

 調べによると、事故は平成17年5月、東京都江東区の首都高速湾岸線で発生。施設のワゴン車が側壁に衝突し、乗っていた4人のうち施設職員の男性2人と移送中の少年1人が車外に投げ出されて死亡した。

 府警の事情聴取に対し、施設側は「入所を嫌がる少年が暴れたのが事故の原因」と話しているという。この事故以降、保護者から了解を取り付けて子供や成人を強制的に入所させる場合、手錠を使うようになったという。

 施設では職員数人がかりで強引に施設に連れ込む場合に、200万〜350万円の入所金とは別に30万〜50万円を請求していた。

 一方、府と地元消防の職員計6人はこの日午前、建築基準法と消防法に基づき、プレハブ2階建ての施設の外周や窓の大きさなどを巻き尺で測定し、消火栓などの設備を調べた。この日は施設の外側だけの調査にとどめたが、府は「管理者や土地の契約について詳細に把握した上で、内部の調査を行いたい」としている。

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