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2008年09月11日(木) 01時34分

<虚偽登記>面積を1500倍 岐阜の不動産開発社長ら逮捕毎日新聞

 岐阜市北部の分譲住宅地「コモンヒルズ北山」の開発を巡り、開発地周辺に所有する土地の面積を本来の約1500倍に偽って登記したとして、名古屋地検特捜部は10日、不動産開発業「グリーン産業」社長、中村満容疑者(58)=岐阜市宇佐=ら4人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕した。

 ほかに逮捕されたのは▽岐阜市の土地家屋調査士、山田泰三(74)▽岐阜県山県市の測量士、丹羽誠(53)▽同県瑞穂市の測量士、広江孝幸(55)の3容疑者。山田、丹羽両容疑者は容疑を認め、中村容疑者は「記憶がない」、広江容疑者は「分からない」と供述しているという。

 調べでは、4人は共謀して04年2月20日ごろ、関連会社が所有する土地(39平方メートル)について、面積を5万9253平方メートルに変更する虚偽の「地積更正」登記を岐阜地方法務局に申請し、法務局の登記官に登記させた疑い。

 この土地はコモンヒルズ北山の開発予定地に隣接。開発予定地には当初、銀行が担保権を設定していたが、計画が行き詰まった後は整理回収機構(RCC)が債権を引き継いでいた。RCCによると、中村容疑者らはこの虚偽の登記により、開発予定地の一部を無担保の隣接地に編入した形とし、実際にはRCCの担保権がある開発予定地に無担保地があるように見せかけた。中村容疑者は本来の開発予定地の一部を売って利益を上げたが、この利益をRCCに還元していなかった。無担保地と信用した購入者は住宅を建てたという。

 登記簿の土地の面積が実際と異なる場合に行う地積更正には、隣接する土地所有者の承諾が必要。隣接地の所有者はグリーン産業の別の関連会社だったため、手続き上不備がなく、法務局も変更登記を認めていた。

 コモンヒルズ北山は97年ごろ、グリーン産業の関連会社が開発を始めたが、計画した約780区画のうち約100区画しか売れずに頓挫。今回の地積更正登記を巡り、RCCは今年4月、関連会社などを相手取り、登記の抹消を求めて岐阜地裁に提訴していた。【秋山信一、式守克史、桜井平】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080911-00000007-mai-soci