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2008年09月11日(木) 21時17分

事故米を正規米にロンダリング?産経新聞

 米扮加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)による不正転売問題で、同社の事故米の中国産もち米が食用として給食業者などに流通していた問題で、三笠フーズから末端小売業者に至るまでに少なくとも7業者が仲介していたことが11日、分かった。

 この中には、ペーパー会社や伝票操作だけを行った業者も介在。複雑な流通システムを経ることで、事故米を正規米に転化させる洗浄工作をしていたとみて、農林水産省や関係自治体が調査を進めている。

 農水省や各自治体などによると、政府や商社などを通じ三笠フーズに流れた事故米のうち、もち米の一部は当初、佐賀県唐津市の業者に流れた。同県がこの業者を調べたところ、平成19年11月から今年8月にかけて「人工のり原料」の取引を行った伝票記録があったことが判明。しかし、この業者に倉庫などはなく、商品自体も運ばれていなかったという。

 さらに、この伝票には福岡市内の米穀仲介業者に販売された記録があったため、福岡県の担当者がこの業者の住所地を訪ねたところ、ここにも事務所や倉庫はなく、ペーパーカンパニーだったことが分かった。

 その後、伝票上では、福岡県内の販売会社に流通していたが、この会社から佐賀県の仲介業者が80トンの仕入れを行った際には、商品は存在したものの、事故米ではなく正規の「もち米」として扱われていたという。

 この佐賀県の仲介業者は県の調査に対し「事故米とは知らなかった。80トンのうち40トンを販売会社へと売った」と説明。県はこの業者の倉庫に残る40トン分を今後回収し、成分などを調べるという。

 事故米は、少なくとも7業者を経由したとみられ、複数業者を介在するなかで、正規米扱いに「洗浄」され、給食会社など末端の小売業者の手に渡り「食用」として扱われていたとみられる。

 三笠フーズが流通させた事故米の総計は約2600トンとされており、福岡県保健衛生課などが、三笠フーズの伝票や帳簿内容を調べ、流通経路の全容解明を急いでいる。同課の担当者は「三笠フーズは正規米も扱っており、どの部分が事故米なのかはっきりしない部分もある。伝票には複雑な細工もされており、解析にはさらに時間がかかる」としている。

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