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2008年09月11日(木) 02時30分

<事故米転売>愛知の2社、「通帳」問い詰められ白状毎日新聞

 三笠フーズ(大阪市北区)による食用転売問題に続き、新たに愛知県内の2社が事故米を目的外で使用していた。農水省などによると、「浅井」(名古屋市瑞穂区)と「太田産業」(愛知県小坂井町)は、03年から架空伝票を作るなど二重帳簿で東海農政局(名古屋市)の立ち会い調査を逃れていた。今回の不正発覚は、業者にとって支出や収入の記録となる通帳という、調査では最も基礎的なデータを調べた結果だった。

 三笠フーズの不正を受けた8日からの調査では、職員が出荷伝票や納品書、会計書類などで事故米の流れを確認した。通帳を要求すると、伝票上の取引先から入金がないなど不審な点が浮上。問い詰めると担当者が「実は……」と不正を認めたという。

 事前に通告しての立ち入り検査が一般的な中、東海農政局では抜き打ち的に行っていたという。しかし、通帳を確認することはなかった。職員の一人は「強制権限がないので通帳の確認は難しかった」と打ち明ける。

 これまで同農政局は2社に対して計42回、立ち入り検査をしていたが、台帳や納品書の偽装には気付かなかった。担当者は「これまで業者を信用しすぎていた。取引先調査をすれば不正が分かっていたかもしれない。伝票上の数字を追うだけの調査だった感は否めない」としている。【稲垣淳】

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