記事登録
2008年09月10日(水) 07時51分

事故米を5トン購入 米菓に加工、販売 県内の食品加工業者産経新聞

 コメ加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の事故米不正転売問題で、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」に汚染された可能性が高い同社のコメ約5トンを茨城県内の食品加工業者が購入、加工した米菓が市場に流通していたことが9日、分かった。県によると、商品は既に消費された可能性が高いが、加工の際に加熱処理などで解毒され、健康被害の恐れはないという。

 県食の安全対策室によると、業者は今年1月末、福岡県の卸売業者を通じ、メタミドホス汚染の可能性が高い同社の中国産もち米約5トンを購入。国産米に約1割混ぜ、せんべいなどの米菓に加工した。

 業者は2月末までに事故米をすべて米菓に加工。商品は主に県内で販売されたとみられるが、8月で賞味期限が切れているため、店頭に残っている可能性は低い。

 県は今月4日、農水省からの情報をもとに、業者へ立ち入り調査を実施。伝票から購入が確認された。業者は国産米が不足する時期に中国産を使用。「事故米と知らずに買わされた。憤りを感じる」などと話しているという。

 県は伝票で事故米購入を確認したが、業者にコメや米菓の現物は残されておらず、市場や購入者からの回収も困難という。

 県は「証拠品がなく、行政処分も難しいため、あえて発表しなかった。県民の安全や安心を図る意味で、同様のケースへの対応について検討が必要かもしれない」としている。

【関連記事】
三笠フーズが従業員全員解雇 農水省調査は長期化か
汚染米、清酒3万本に混入の疑い 熊本・美少年酒造
当初から食用に転売目的か 採算割れ価格で汚染米を集中購入
「三笠フーズに違約金を請求」 事故米不正転売で太田農水相
「同体質の業者と扱われないか…」 一斉点検対象業者が困惑

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080910-00000011-san-l08