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2008年09月10日(水) 07時05分

九州の菓子業者35社にも西日本新聞

 米粉加工販売の三笠フーズ(大阪市)による工業用事故米の食用転売問題で、農林水産省は9日、宮崎、鹿児島、茨城3県の菓子製造36業者に事故米が転売されていたと発表した。宮崎の27業者、鹿児島の8業者は和菓子、茨城の1業者はせんべいの製造業者で、菓子業者への転売が確認されたのは初めて。

 転売されたのは、基準値5倍の殺虫剤メタミドホスを検出した中国産もち精米の一部。せんべいは8月に賞味期限が切れており、店頭に残っている可能性は低いという。宮崎、鹿児島の和菓子業者について、農水省は「業者の了承を得られていない」として詳細な情報を公表していないが、健康への被害のおそれはないという。

 また、三笠フーズが商社「双日」経由で購入した基準値3倍の殺虫剤アセタミプリド検出の汚染米が熊本県の「美少年酒造」に販売されていたことも新たに判明した。

 これで農水省が確認した汚染米の流通先は13府県延べ85業者。このうち九州は、アセタミプリド米が転売された福岡、熊本、鹿児島3県の焼酎メーカー6社、発がん性物質のカビ毒アフラトキシンB1検出のベトナム産うるち精米が転売された鹿児島県の2社など計68業者。

=2008/09/10付 西日本新聞朝刊=

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