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2008年09月10日(水) 18時17分

高速道路が無料に!…本当か?ツカサネット新聞

福田総理の辞任、自民党の次期総裁選挙、解散総選挙と話題に事欠かない最近の政治。これだけ注目を集めている時期に民主党は小沢一郎党首の無投票3選をあっさり決めてしまって、何だかアピール不足だと思っていたのも束の間、当の小沢党首が「お金バラ撒き政策」を発表してくれた。

あくまでも「民主党が政権奪取に成功した場合」という条件付きではあるが、内容は、1人当たりに月額2万6000円の子ども手当の導入、農漁業者への戸別所得補償制度、高速道路の無料化とガソリン税の暫定税率の廃止といったところである。これだけの国民にお得な内容を盛り込んだマニフェストを発表して、普通に考えれば国民の期待が完全に民主党に傾くような、夢のような話であるはずだ。が、発表したはいいものの実現するのかが不透明であるのが問題である。

この発表を受け、町村信孝官房長官は即座に反応し、「財源の裏打ちなきバラマキ政策」と一蹴した。これに対し小沢党首は、役所や官僚が無駄遣いしている税金や道路予算を切り崩せば10兆円程度の予算を捻出することが出来るという試算で、実現に問題ないということを示して見せている。いつもは自民党がやること成すこと、全てに文句をつけるのが民主党のお家芸だったにも関わらず、今回は逆に自民党にお株を奪われた形になってしまったが、そこは豪腕と名高い小沢一郎らしく、しっかりと反論の弁を述べてみせたことが印象的だった。

本題に戻るが、民主党が政権を取った場合に果たして本当に高速道路が無料になり、子供一人当たりに2万6000円もの手当てを支払うことが出来るのだろうか。確かに財源自体大きな問題ではあるが、それ以外にも民主党には課題が山積みである。まず、自民党の政策にはほぼ全てにおいて真っ向から対立の姿勢を見せてきた民主党であるが故に、政権を取った場合は今まで自民党が作り上げてきた多くのものを崩していく必要がある。自民党の政策を受け継いでしまえば結局のところ何も変わらないことになり、民主党に期待した国民達の支持は去っていき、短命政権となってしまうのでそれだけは絶対に避けなければならない。新たな政策に移行するためには多くの時間と金がかかるだろう。

次に、民主党内部の問題だ。姫井由美子議員の民主党脱退、そして翌日には撤回というニュースで話題になったことでご存知の方も多いだろうが、民主党から2人の議員が離脱し、無所属の新人議員2名と新党を結成したことで民主党内の結束が不十分であることが明らかになってしまった。新党結成に至るまでに自民党の切り崩しがあったとする報道もあったが、これが事実であっても無くても、これから政権を取ろうと意気込む政党内部でこのような問題が起きてしまうことは、大きな不安要素である。

そして最後に、実際に政権を取れるのか。現在第一政党である自民党は小泉純一郎氏が総理を辞めて以来、2人の総裁は国民に支持されず、2人ともが任期途中に辞任するという事態に陥っており、状態としては余り芳しくはないだろう。また、景気の悪化や、原油・食糧高で日本国民の生活が厳しくなっているにも関わらず、相変わらず道路を作りたがり、税金を国民に回そうという気はなかなか見えてこない。第一政党ではあるが国民に強く支持されていると言い難いという印象である。

その点、民主党はチャンスではないだろうか。最大の難敵、小泉純一郎の郵政選挙では大きく議席を減らしピンチを迎えたが、現在は参議院で第一党となり、非難轟々の自民党とは反対に国民の支持を徐々に集めているところである。

先に述べたように、民主党が政権を取り、公約通りの政策を遂行していけば日本は大きく変わっていくだろう。それが良い方向に転ぶかは知る由もないが、先行き不透明の昨今の政治を見るよりかは少しは楽しめそうである。早くて来月、遅くても年内には行われるであろう解散総選挙。私は民主党に一票投じてみたいと思っている。

(記者:オプティミスト)

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