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2008年09月10日(水) 19時21分

米国連邦地裁、不正P2Pネットワークの管理者に懲役18カ月の有罪判決Computerworld.jp

 米国司法省(DOJ)は9月9日、不正ピア・ツー・ピア(P2P)ネットワーク「EliteTorrents.org」の管理者に、懲役18カ月の有罪判決が言い渡されたことを明らかにした。

 判決を受けたのはダニエル・ダブ(Daniel Dove)被告(26歳)。司法省の発表によれば、バージニア州西部地区連邦地方裁判所のジェームズ・ジョーンズ(James Jones)判事は同被告に対し、懲役18カ月のほか罰金2万ドルの支払いも命じたという。

 バージニア州西部地区連邦地方裁判所の陪審は2008年6月27日、海賊版コンテンツの配信が著作権侵害の共謀、および直接の著作権侵害にあたるとして、ダブ被告に有罪の評決を下していた。

 映画を中心に海賊版コンテンツを配信していたEliteTorrents.orgは、2005年5月に閉鎖されている。しかし、ピーク時には12万5,000人以上の会員を擁し、700本以上の映画(劇場公開前の海賊版も含む)を不正に配信していた。

 司法省によれば、ダブ被告は同サイトの会員のうち、海賊版コンテンツをネットワークに供給する「アップローダー」と呼ばれる少人数のグループを管理していた。同被告は高速インターネット環境を持つ会員にアップローダーになるよう勧誘。自身はサーバを運用管理して、海賊版コンテンツの配信を行っていたという。

 米国連邦政府は、ファイル共有プロトコル「BitTorrent」を使用し、映画やソフトウェア、ゲーム、楽曲などを不正に配信しているP2Pネットワークの撲滅を目指す「D-Elite」作戦を展開している。今回のダブ被告に対する有罪判決は、D-Elite作戦の8件目の“成果”となる。

(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)

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