記事登録
2008年09月10日(水) 22時51分

「天下り」公益法人、OB効果で受注8倍…国からの随意契約読売新聞

 中央省庁などの職員OBが天下りしている公益法人は、いない公益法人に比べて、国の機関から随意契約で請け負う受注額が8倍に上っていることが、会計検査院の調べで分かった。

 両者のもちつもたれつの関係が依然として解消されない実態を浮き彫りにしており、検査院は「随意契約とした理由など、各法人は説明責任を果たすべきだ」と指摘している。

 検査院は各省庁や国会、裁判所など16機関が2007年4〜12月に契約した工事や物品購入など約14万5000件、2兆2441億円分を調べた。このうち公益法人が1737億円を受注。これの約85%に上る1483億円を随意契約が占めた。

 随意契約の相手は計1076公益法人。うち864法人には省庁OB約9100人が在籍、1法人当たり受注は平均9・0件だった。これに対し、OBのいない212法人は平均2・3件。受注件数で約4倍の差があった。金額ベースでは平均3億6600万円と同4700万円。天下りがいる、いないで8倍もの開きが見られた。

 契約全体に占める随意契約の割合は金額ベースで58・1%。昨年の調査(06年4月〜12月分)より4・2ポイント下がり、若干の改善を示した。ただ、公募が行われても省庁が資格制限を設けたために、公益法人1社しか応募がないケースが目立ったという。

 検査院によると、国土交通省近畿地方整備局は06年度まで、社団法人「近畿建設協会」(大阪市)と広報誌の作成業務の随意契約を結んでいたが、契約の透明性を高めるとして07年度から、企画書を業者から出してもらって優良なアイデアを選ぶ「企画競争」を実施。ところが、参加したのは近畿建設協会のみで、同整備局は約4500万円の随意契約を結んだ。

 企画競争の参加資格には、「同局管内の国の機関が発行する広報誌を作成した実績」とあり、1社しか名乗りをあげなかったのは、資格制限が厳しくて他の業者が二の足を踏んだためとみられる。

 検査院では「入札であっても、実質的には競争になっていないものが増えている」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080910-00000063-yom-soci