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2008年09月10日(水) 14時59分

三笠フーズ、顧問の会社を偽装に利用か産経新聞

 大阪市北区の米粉加工販売会社「三笠フーズ」による事故米の不正転売問題で、同社が農薬メタミドホスに汚染された事故米約430トンを佐賀県の仲介業者に売却する際、宮崎一雄非常勤顧問(76)の個人会社を再転売先に指定していたことが10日、分かった。伝票上はこのように転売されたことになっていたが、汚染米は三笠フーズから直接、福岡県と熊本県の米穀販売会社に輸送されていたという。

 汚染米は仲介業者への売却段階で「工業用」となっていたが、米穀販売会社2社に渡ったときには「食用」になっており、三笠フーズで事故米の扱いを取り仕切っていた宮崎顧問が、個人会社などを使って事故米を食用米に偽装した可能性が高い。

 宮崎顧問の個人会社の屋号は「サン商事」。福岡市南区の自宅マンションに事務所を置いていたが、コメを保管する倉庫はなく、法人登記もしていない。

 農水省の調査などによると、三笠フーズは平成18年11月〜19年5月に仕入れたメタミドホス汚染米800トンのうち、倉庫に保管していたものを除く430トンを複数回にわたって佐賀県内の仲介業者に販売していた。

 仲介業者は産経新聞の取材に「最初からサン商事に汚染米を売ることを約束して購入した」と協力していたことを認めた。三笠フーズとは「工業用のり原料」の取引名目で作成した伝票をやりとりしただけで、実際にコメは扱ったことは一度もなかったという。

 また、昨年12月〜今年6月の間には、カビ毒アフラトキシンに汚染された恐れのあるベトナム米20トンも三笠フーズからサン商事を通じ、北九州市の穀物卸業者に販売されていた。この汚染米は福岡県の焼酎メーカーに渡っていたことが判明している。

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