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2008年09月10日(水) 18時42分

<京都・京丹波のフリースクール傷害>期限切れ弁当、身内の店で入手 体調崩す子も毎日新聞

 入所していた女子中学生(14)への傷害容疑で経営者らが逮捕された京都府京丹波町のフリースクール「丹波ナチュラルスクール」が、経営者の江波戸聖烈(えばとせいれつ)容疑者(60)の身内が関係する同府南丹市のコンビニエンスストアで出た賞味期限切れ食品を頻繁に入所者に食べさせていたとみられることが分かった。体調を崩す入所者もいたという。府警は既に、同店も関係先として家宅捜索した。

 調べなどによると、スクールは保護者から200万〜350万円、最高で約700万円もの入所代を受け取り、月額10万〜20万円の月謝も徴収していた。しかし食事は粗末で、朝食はなく、昼は弁当やパン、夜はインスタントラーメンなどで済ませていたという。

 賞味期限切れとみられるのは弁当やパンで、弁当からは賞味期限が記載されたシールがはがされ、パンは袋から出された状態で入所者に渡されていた。江波戸容疑者は食事について「バランスを考えて出していた」と供述しているという。

 他の生活環境も劣悪で、プレハブのスクール本体は、外観こそ新しいが、2階の居室は男女1部屋ずつしかなく、それぞれ5、6人で使用。1階には事務所のほか食堂と浴室があるが、風呂は夏場でも2日に1回、冬場は5日に1回しか入れなかった。エアコンが付いたのは、児童相談所の立ち入り調査があった今年8月15日以降だったという。

 また、トイレの使用には「2時間に1度、まとまって使用し、最後の者が水を流す」という決まりがあった。「就学・就労支援」をうたいながら、昼の活動は農作業などが主。夜間は午後10時消灯、午前7時40分起床と睡眠時間だけは十分に与えられていた。

 府警は10日、江波戸容疑者と責任者の森下美津枝容疑者(55)を京都地検に送検した。【細谷拓海、珍田礼一郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080910-00000023-maiall-soci