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2008年09月10日(水) 08時00分

【Re:社会部】実態はただの利権屋産経新聞

 一時は「防衛フィクサー」とも呼ばれ、東京地検特捜部に所得税法違反(脱税)の罪で起訴された被告の保釈申請が先日、却下されました。証拠を隠滅するおそれがあるからという理由だそうです。ところで、被告がフィクサーと呼ばれるようになった背景には、平成14年に始まった防衛族議員を引き連れての訪米旅行が、大きかったといわれています。

 この旅行で被告は、米軍施設の視察に加え、政府高官や旧ロッキード社など軍需メーカーの幹部と族議員との会食もセッティング。日本の商社やメーカーなど約30社も同行させて、こうした企業にも次第に影響力を持つようになったといいます。

 被告自身がフィクサーを名乗ったことはないようですが、民事訴訟の中で明らかになった「三菱商事なんてうちの下請けだ」「川崎重工なんて待たせておけ」といった過去の発言に、フィクサー然として振る舞っていたころの片鱗(へんりん)がうかがえます。しかし、それは虚像だったようです。捜査の結果、明らかになった被告の実像は、いわゆる「利権屋」にすぎないものでした。

 逮捕当日の朝まで「脱税なんてナンセンス」と強弁していた被告は、その後、2週間を待たずに脱税を認めたそうです。そうした人物が幅を利かせていた事実を知るにつけ、日本の国防には大いに不安を感じざるを得ません。(生)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080910-00000084-san-soci