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2008年09月10日(水) 21時18分

パラリンピック 1次敗退も、意義ある「初陣」 ボッチャ毎日新聞

 ◇パラリンピック ボッチャ・チーム(脳性まひBC1、2)1次リーグB組(第5日の10日)

 ○ポルトガル7−4日本●

 ○ノルウェー7−4日本●(日本は落選)

 1点を追う最終6エンド。チーム最終試技者となったエースの広瀬の投球は、既にコート上にあった日本の球に触れ、相手よりジャック(的球)に近づけた。だが4度の試技を残していたノルウェーが逆転。「寄せなければならない場面で寄せきれなかった」と下を向いた広瀬。個人種目を含めた「日本ボッチャ勢」のパラリンピック初挑戦が終わった。

 日本代表4選手のうち、2人が電動車いすを使用している。重い脳性まひや手足の自由に動かせなくても、球を転がせれば取り組めるのがボッチャ。海外の選手の中には、首から下が不自由でも補助を受け「ランプ」という傾斜した投球用具を使って球を転がす選手の姿もあった。

 国内では96年に初めて試合が行われ、日本協会は97年に設立された。今では養護学校の授業などでも取り入れられているが、日本選手権の出場者は例年150人程度にとどまっている。

 初の大舞台で、チーム種目では参加12チームの中で8強入りを目指していた日本。目標は果たせなかったが、日本協会理事長も務める古賀稔浩監督はパラリンピック初参加の成果を「報道で取り上げられたこともあり、協会ホームページのアクセスがかなり増えている」と表現した。

 速く走れなくても、機敏に動けなくても、パラリンピックを目指せるのがボッチャ。その存在を4人が国内に広めたことだけでも、意義のある「初陣」だった。【飯山太郎】

 【ことば】ボッチャ(Boccia) イタリア語で「ボール」の意味。男女混合で個人(1対1)、ペア(2対2)、チーム(3対3)の3種目があり「ジャック」と呼ぶ白い的球に向け赤、青に分かれて6球ずつのボールを交互に投げ合い、的球にいかに近づけるかを競う。最終的に最も的球に近づけた方がエンドの勝者で、得点は的球から、敗者が投じた中で最も近かったボールまでの距離を半径とした円内にある勝者のボール数で決まる。個人とペアは4エンド(ペアは1人3球)、チームは6エンド(1人2球)で競う。パラリンピックでは84年大会から実施され、日本は今大会で初めて選手を派遣した。

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