記事登録
2008年09月10日(水) 12時43分

汚染米取引、帳簿だけ…佐賀の仲介業者「三笠に頼まれた」読売新聞

 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)グループが事故米を食用に転用していた問題で、同社が工業用のりの原料として出荷したように装っていた佐賀県唐津市の仲介業者(59)が10日、読売新聞の取材に応じ、「三笠フーズの宮崎一雄・特別顧問(76)から頼まれてやった」と証言し、帳簿上だけの取引を行ったことを認めた。

 三笠フーズ側が正規の事故米の取引であることを装うため、この業者を利用したとみられる。

 業者によると、宮崎顧問とは30年来の知り合い。宮崎顧問が三笠フーズの九州工場の責任者だった5、6年前から、工業用のりの原料として購入し、宮崎顧問が指定する会社に転売していた。取引は伝票だけで、現物のやりとりは一切なく、仲介手数料を受け取っていたという。

 業者は「事故米が不正転売されているとは知らなかった。現物をやりとりしないのは、商社として通常の取引だが、酒造会社や関係者に迷惑をかけてしまい、申し訳ない」と話している。

 農林水産省の調査によると、三笠フーズは2006年度以降、基準値を超す有機リン系殺虫剤メタミドホスが検出されたもち米を国から約800トン購入。このうち、出荷された約430トンはすべてこの佐賀県の仲介業者に販売され、宮崎顧問が経営する福岡市の会社に転売されていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080910-00000012-yom-soci