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2008年09月10日(水) 08時00分

北京パラリンピック 男子100メートル・バタフライS11 河合「うれしい」銅産経新聞

 【北京=川越一】北京パラリンピックの競泳男子百メートルバタフライS11(視覚障害)で9日、河合純一選手(静岡)が1分5秒79秒で3位タイに入り、日本競泳陣として今大会初のメダルを獲得した。5大会で通算20個目のメダル。障害者スポーツの第一人者は銅メダルに初めて泣いた。

 予選では温存した英スピード社の高速水着、レーザー・レーサー(LR)を着用し、50メートルのターンでは4位。そこからもがきながら、順位を上げた。

 アテネで金銀銅合わせて5個のメダルを獲得した後、一線を退くことも考えた。だが、「道」を切り開いてきた責任感がとどまらせた。大学院から教壇に戻り現在は静岡県教委勤務。仕事と競技を両立させ、プロ化が進む現状に抵抗してきた。

 「世界のレベルが上がっていく中で自分一人、取り残されてるんじゃないかなという思いがあった。銅メダルを取ってこんなにうれしかったことはない」。年齢からくる体力の衰えを嘆いたのが4年前。それから1秒近くタイムを縮めた33歳は、障害者スポーツの環境改善を訴えるために泳ぎ続ける。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080910-00000092-san-spo