記事登録
2008年09月09日(火) 19時58分

<教員採用調査>61教委が選考のあり方見直し毎日新聞

 全国64の都道府県・政令市教育委員会のうち61教委が、大分県の教員採用汚職事件を契機に、採用選考のあり方について何らかの見直しを行ったことが、文部科学省の調査(8月29日現在)で分かった。選考結果と試験の答案などの元データを照合しているのは、前回の一斉調査(7月25日現在)より20教委増えて57教委になった。文科省は「採点基準の公表などにまだまだ改善の余地はある。今後も必要な指導をしていく」としている。

 前回調査で「見直しを検討中」と答えた教委が多かったことなどから、どれだけ進んでいるかを調べた。大分県を除く63教委が、新たな不正は判明しなかったと回答した。

 筆記試験や面接などの選考基準を公表しているのは、前回調査では45教委(昨年度は20教委)だったが、その後に17教委が公表に踏み切った(一部公表を含む)。公表するのは▽筆記試験の配点(53教委)▽面接の判定基準(41教委)▽実技試験の判定基準(39教委)−−など。山梨県と宮崎県だけが基準を一切公表していない。

 理由について山梨県は「選考基準に基づく受験対策が行われる恐れがあるため」としている。宮崎県は「(基準公表を)今後検討していく」としている。

 採点者に受験者が分からないよう配慮しているのは53教委(前回43教委)、選考事務担当者が受験者を特定できないよう整理番号で管理するなどしているのは24教委(前回17教委)だった。

 事件を機に見直しをしていないのは神奈川、兵庫両県と横浜市だが、いずれも見直しを検討中という。

 新たに管理職への昇任試験についても対応を調べたところ、事件を機に37教委が「受験者名の匿名化」「面接官への民間人起用」など何らかの見直しをしていた。【加藤隆寛】

【関連ニュース】
写真特集:大分教員採用汚職
大分教員汚職:教育長も合格依頼…審議監証言 本人は否定
大分教員汚職:元審議監、隠ぺい図る わいろ授受冒頭陳述
大分教員汚職:6人の採用取り消し、14人が自主退職
大分教員採用汚職:「愚かな母の軽率な行為」浅利被告手記

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080909-00000115-mai-soci