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2008年09月09日(火) 17時01分

事故米食用転売:風評被害を憂慮 酒造組合や各メーカー、対応に追われる /熊本毎日新聞

 米卸売加工会社「三笠フーズ」(本社・大阪市)による事故米の転売問題で、県内の球磨焼酎メーカー2社が、三笠フーズから仲介業者を通じて事故米を購入していたことが8日、判明した。28蔵元が加盟する球磨焼酎酒造組合(人吉市)は緊急役員会を開いて対応策を協議し、各メーカーもホームページ(HP)で安全性をアピールしたり、三笠との取引がないことを告知するなど風評被害を憂慮した対応に追われている。【山田宏太郎、阿部周一】
 ◇「沈静化待つしか…」
 農水省の調査では、米には有機リン系殺虫剤や発がん性のカビ毒素が含まれ、それらの米が少なくとも熊本、鹿児島、福岡の焼酎メーカー5社で使用されていた。
 7日に緊急役員会を開いた球磨焼酎酒造組合(人吉市)の林篤理事長(72)は「今は悪評が沈静化するのを静かに待つ以外、手の打ちようがない」と厳しい表情。「農水省は事故米を食品卸売業者に払い下げておきながら、その後のチェックをしていない。考えられん」と怒りの矛先を農水省に向けた。
 三笠フーズから仲介業者を通じて事故米を購入していた抜群酒造(多良木町)と六調子酒造(錦町)は、6日に保健所などから指摘されるまで三笠フーズから購入していたことを知らなかった。農水省が問題を公表したのは5日。該当メーカーにすら情報が迅速に伝わらなかった実態が明らかになっている。
 繊月酒造(人吉市)は、HPで「原料は国産米100%」と“号外ニュース”とのタイトルで安全性を強調。米焼酎「しろ」で知られる高橋酒造(同市)もHPで「三笠フーズとの取引は一切ない」と告知した。

9月9日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080909-00000203-mailo-l43