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2008年09月09日(火) 17時01分

事故米食用転売:県酒造協組、危機感あらわ 小売店は店頭から焼酎撤去 /鹿児島毎日新聞

 ◇業界全体に影響大きい
 米卸加工会社「三笠フーズ」(大阪市)による事故米転売問題を受け、県内114の焼酎醸造会社で構成する県酒造協同組合(本坊喜一郎理事長)は8日、記者会見をし、「三笠フーズに対して抗議したい」と憤り、焼酎業界に及ぼす影響に危機感をあらわにした。【福岡静哉】
 芋焼酎の製作過程において、米はもろみに使うこうじを作る際に用いられる。農水省によると、県内で事故米を扱ったとされる焼酎メーカーは3社だが、公表に同意した西酒造など2社だけを発表。同組合は事件を受け、全組合員を対象に調査しているが、残り1社は把握できていない。
 県内の焼酎会社が購入する米は年間約2万5000トン。うち1万2000トンは、同組合が政府から直接米を購入し組合員に販売しているが、残りの大半は組合員が商社から購入しているという。同組合の吉野馨専務理事は「商社の方が価格が安い場合が多いため」と指摘、「組合を通じて購入していれば問題は起きなかった。今後、組合から購入するよう指導を強化したい」と話した。
 焼酎は07年度、原油高に伴う値上げなどで10年ぶりに出荷量が前年度を下回った。吉野専務理事は「事故米はごく一部の問題だが、業界全体に及ぼす影響は大きい。信頼回復は我々にとって重い課題」と話した。
 ◇県内の小売店、焼酎を店頭から撤去
 西酒造が事故米を使った焼酎「薩摩宝山」の自主回収を始めたことを受け、県内の小売店は8日、商品を店頭から撤去する作業に追われた。
 鹿児島市内の商業施設の酒販コーナーでは、開店前「不安が解消されるまで」として、「薩摩宝山」だけでなく西酒造製のすべての焼酎を陳列棚から取り除いた。販売員の男性(25)は「県内の出荷量も10年ぶりに減少して、今回の騒動。さらに焼酎離れが進まなければいいが」と心配顔。
 毎日焼酎を飲んでいるという同市南新町の男性(67)は「特に体に影響はないと聞いているし、大したことではない。ただ、日本は日本の米を使わないといけない」と話した。【川島紘一】

9月9日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080909-00000227-mailo-l46