記事登録
2008年09月08日(月) 21時02分

Booksベストセラー週間総合ランキング(8/29〜9/4)--ポニョがトップ10入りマイコミジャーナル

Booksベストセラー週間総合ランキング8月29日〜9月4日では、『徳間アニメ絵本 崖の上のポニョ』(宮崎駿)、『乙女の教室』(美輪明宏)の2タイトルが新たにトップテン入りした。

○8月29日〜9月4日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

新登場で4位に入った『徳間アニメ絵本 崖の上のポニョ』(宮崎駿)は、同名の映画のストーリーブック的な絵本。手描きアニメの美しい映像が再現されている。主人公である5歳の宗介は、家出をしてきたさかなの女の子・ポニョに出会う。「人間になりたい」と願うポニョを「守ってあげる」という宗介。宮崎アニメの例に漏れず「難解だ」とも言われるお話をこの本でじっくり読み返すことができる。

10位にランク入りした『乙女の教室』(美輪明宏)は、10年にわたって「MORE」誌に連載されたエッセイ集を単行本化したもの。奥ゆかしさや恥、思いやり、品など現代では忘れられてしまったかもしれない日本の美徳について説く。当然取り立てて新しいことではないことも含まれるが、日本人としての美しい文化や生き方にあらためて気付かされる一冊。ちなみにタイトルの「乙女」とは、「オツな女」のこと。男性でも納得できる内容も多く、幅広く共感が得られそうな内容になっている。

○今週の注目

カリスマのつくり方(PHP研究所/戸矢学/税別700円)
「カリスマ主婦」という言葉まで聞かれる今日、「カリスマ」の語はあふれかえっているが、本書は世の中でも数少ない「人の上に立つカリスマ」をつくるためのテキストだ。

企業や団体のコミュニケーション戦略を立案・実践指導する経営コンサルタントである著者は、「コミュニケーション戦略の第一はカリスマをつくり出すこと」と言い切る。世の中にはいろいろなトップがいて、その中にはカリスマ性のある人も時々いる—というのが普通の認識だが、著者の認識は違う。組織として成功したければ戦略的にカリスマをつくるべきなのだ。それは言い換えれば、普通の人をカリスマ性のある人に仕立て上げることを意味している。本書では幾つかの例を挙げ、その具体的な方法を解説している。

カリスマをつくり上げる方法が国家的規模で実践され、世界に影響を与えた最大の例はナチス・ドイツにおけるヒトラーである。本書ではしばしばヒトラーについて触れ、どの部分がカリスマ戦略だったかを説き明かす。ヒトラーに使われた手法は今日でも基本的に有効なのだ。この点を踏まえて著者は「カリスマの本質は独裁である」と認め、一旦つくり出されたカリスマは神にも悪魔にもなると忠告している。

政界が慌しくなりそうなこの時期、世の中のカリスマを分析してみるのにも使えそうな一冊だ。

(佐々木康弘)

[マイコミジャーナル]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080909-00000005-myc-sci