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2008年09月08日(月) 22時17分

【事故米不正転売】「同体質の業者と扱われないか…」 一斉点検対象業者が困惑産経新聞

 事故米転売問題で、農水省が過去に事故米を売却した全国16社と商社2社について加工・流通経路などの追跡調査を始めたことを受け、近畿でリストアップされた奈良県内の2社は「適正に処理した」などと説明。今回の問題による“風評被害”を懸念している。
 奈良県大和高田市に本社のある三喜精麦では、平成16年12月にカビ発生による豪州産の7.3トンを、17年7月にはタイ産米4.5トンをそれぞれ10〜13万円程度で落札。いずれも、入荷後2週間〜1カ月以内に粉砕加工し、三重県内の工業用のり製造業者に販売したという。
 「粉砕加工は農政事務所職員の立ち会いのもとで行った上、加工後にカビなどの検査もしている。事故米を食用に回すことはあり得ない」と、同社の川田和浩・製造販売部長。「当社では100%工業用として販売しているが、取引先などから、三笠フーズと同じように認識されたり、他の食品加工部門での信用が損なわれないかと心配」と困惑している。
 また、同県御所市の「東伸製糊」でも事故米購入の履歴について調べているが「少なくとも書類上確認できた17年以降は、事故米の購入自体がなく、問題はない」としている。
      ◇
 大阪府は8日、三笠フーズ九州工場(福岡県)を経由した米を購入したとみられる府内の4業者に対し、食品衛生法に基づく立ち入り調査を行った。
 立ち入り調査は、三笠フーズに対し、同法に基づき事故米の回収命令を出した福岡県の依頼で実施した。府はこの日、米の仕入れ、在庫状況や販売先などを調査。うち2業者の在庫から同工場が出荷した米が見つかった。調査結果は福岡県に報告される。

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