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2008年09月08日(月) 15時56分

三笠フーズ 汚染米、詰め替え偽装 中国産400トン、食用袋に産経新聞

 大阪市北区の米粉加工販売会社「三笠フーズ」による事故米の不正転売問題で、同社は8日、農薬のメタミドホスに汚染された中国産もち米約400トンについて、食用の袋に詰め替えて偽装し、出荷していたことを明らかにした。また農水省の調査で、農薬やカビ毒が検出されなかった事故米約960トンのうち、少なくとも3分の1以上は食用に転売されていたことも判明した。

 同社による不正転売は農水省が告発を検討している食品衛生法違反(有害食品の販売)だけでなく、不正競争防止法や詐欺罪にも抵触する恐れがあり、大阪、福岡両府県警は同日、同省から資料の提出を受けるなど情報収集を始めた。

 同社の説明では、平成15〜20年度の間に、基準値以上の有機リン系農薬成分のメタミドホスが検出された汚染米を政府から計800トン購入。購入時は、30キロごとに袋詰めされており、出荷場所と加工日が記されたタグが付けられているが、「事故米」などの表記はないという。

 同社は福岡県の九州事業所で、汚染米を出荷する際に無表示の1トンの袋に入れ替えた。財務担当者は「購入先の利便性を高めるためだったが、最初の袋が汚く、劣化した商品と思われないようにしていた」と偽装の意図を認めた。

 このもち米は帳簿上、佐賀県の仲介業者を通じて販売されたことになっていたが、先月末に汚染米55トンが発見された福岡県の米穀加工業者などに直接販売されていた。帳簿では佐賀県内の工業用糊(のり)加工会社を汚染米の販売先としていたが、実際の納入量と大きくかけ離れており、三笠フーズが勝手に名前を利用し、物品受領証なども偽造していた可能性が高いという。

 一方、農水省の調査では、同社が15年度以降に購入した事故米の総量は1779トン。このうちメタミドホスに汚染された計800トンのうち370トンが倉庫に保管。出荷された430トンのうち135トンが福岡県内の米穀加工業者などで回収されており、295トンがすでに消費された可能性が高まっている。

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