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2008年09月08日(月) 15時05分

「薩摩宝山」を自主回収 汚染米購入西日本新聞

 三笠フーズ(大阪市)がカビ毒などに汚染された事故米を食用に転用した問題で、鹿児島県日置市の焼酎メーカー「西酒造」(西陽一郎社長)は8日、同社の芋焼酎「薩摩宝山」の原料に汚染米を使用したことが判明し、商品の自主回収を始めたと発表した。一部は既に消費済みとみられるが、健康被害の報告は届いていないという。

 西酒造によると、汚染米は今年3月、三笠フーズとは別の大阪府内の米卸業者から、米麹(こうじ)の原料として1キロ73円で購入した約300トンの一部に含まれていた。これで薩摩宝山を1419キロリットル生産。一部を6月13日‐8月22日、29万3670本に瓶詰めし、全国の酒店や飲食店に出荷した。

 同社は7日に自主回収を始め、未出荷分は廃棄する方針。損失3億‐4億円とみられ、三笠フーズに損害賠償を請求することも検討しているという。西酒造は「(汚染米は)価格が特別安いわけでもなかったので、問題があるとは思わなかった」としている。

=2008/09/08付 西日本新聞夕刊=

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