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2008年09月08日(月) 15時05分

汚染米 転売提案を一転否定 特別顧問「教えたことない」西日本新聞

 米粉加工販売「三笠フーズ」(大阪市)による農薬やカビ毒で汚染された事故米の不正転売問題で、不正転売の発案者とされる宮崎一雄・特別顧問(76)が8日、同社の九州工場(福岡県筑前町)で記者会見し「過去に転売の提案や指示をしたことは一切ない」と、これまでの証言を一転させて関与を否定した。工場には朝から取引先関係者が訪れ、社員に今後の対応について説明を求めるなど混乱が続いた。


 宮崎顧問は7日、転売の方法を冬木三男同社社長に教えたと、西日本新聞社に認めたばかり。

 しかし、自ら開いた8日の記者会見で、同社が汚染米を食用に転売した経緯に質問が集中すると、集まった約30人の報道陣に不快感をあらわにしながら「(転売の)指示はしていません。方法を教えたこともない」と証言を一変させた。

 同社の冬木社長が「転売は九州の現場から提案が上がってきた」と発言したことについても「私に責任を押しつけているような気がしている」と興奮気味に語った。

 有機リン系殺虫剤メタミドホスが残留した米については、民間研究所の検査成績書を示し「2年ほど保管したらメタミドホスの濃度が薄まったから、食用にも販売できると判断した」と語り、問題がないとした。

 しかし、詳細な事実関係については「分からない」「覚えていない」を繰り返すなどして明言せず、最後は「もうやってられない」と約50分で会見を打ち切った。

 一方、取引業者の福岡県朝倉市の運送会社営業所長(59)は「先月の売掛金が回収できるか心配だが、三笠フーズは『後ほど連絡する』の1点張り」と困った様子。福岡県久留米市の米袋メーカーの営業課長(55)も「うちの袋が『不正』に使われていたと思うと許せない。もう取引は終わりにしたい」と突き放した。

 汚染米の回収命令を出した福岡県は8日午後2時ごろから、食品衛生法に基づき工場を立ち入り調査する予定。

=2008/09/08付 西日本新聞夕刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080908-00000024-nnp-l40