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2008年09月08日(月) 02時30分

<事故米転売>汚染米、関西の菓子会社にも 農水省伝票把握毎日新聞

 米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)の事故米転売問題で、仲介業者や米穀店に転売された事故米が、関西地方の米菓メーカーや和菓子メーカーにも渡っている可能性が高いことが農林水産省の調査で分かった。これまで焼酎メーカーへの販売が分かっていたが、新たに菓子への使用の恐れが発覚した。一方、粉処理をしていない餅米約135トンが米穀店などに食用として残っていたことも判明。転売量は少なくとも約433トンに上る。農水省は「食品衛生法違反の疑いがある」としてさらに追及する。

 農水省によると、三笠フーズは04年2月〜今年8月、事故米を粉にして工業用のりの原料に加工する契約で、国から非食用の事故米計約1779トンを購入。ところが実際は、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」に汚染された米少なくとも約295トンを佐賀県の仲介業者に、発がん性のカビ毒「アフラトキシンB1」に汚染された米約3トンを鹿児島県の焼酎メーカーなどに転売したことが確認されている。

 佐賀県の仲介業者に転売された事故米は、福岡県の米穀店に販売され、さらに兵庫県の仲介業者などに渡っていた。農水省でその先の販売先について調べたところ、事故米の流通を示す伝票などの書類に関西地方の複数の米菓や和菓子メーカーが記されていた。農水省は三笠フーズの伝票や帳簿などを基に流通経路や事故米の使途などを調べている。

 一方、メタミドホスに汚染された事故米約135トンが、福岡県や関西地方の仲介業者や米穀店などに食用の餅米として残っていたことが確認された。

 農水省は三笠フーズでの加工に立ち会って確認していたが、新たに判明した135トンはすべて契約に違反して餅米のままだった。農水省は「三笠フーズは契約に違反した上、食用に流していた。食品衛生法違反の疑いがある」と指摘、詳しく調べている。【奥山智己、根本毅】

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