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2008年09月07日(日) 01時20分

<パラリンピック>盛大に開会式 四川大地震の被災少女舞う毎日新聞

 【北京・飯山太郎】北京パラリンピックが6日夜に開幕した。開会式でボツワナの選手が到着しなかったため当初の予定から参加国が一つ減少。147カ国・地域の選手団による入場行進では日本が14番目に登場し、選手団主将で車いすバスケットボール男子の京谷和幸(千葉県)らが明るい表情で会場に姿を現した。その後、障害を持つ人々の夢などをテーマとした、さまざまなアトラクションがあり、障害者のスポーツの祭典が幕を開けた。

 国際パラリンピック委員会(IPC)のフィリップ・クレーブン会長は「規模も参加国数、競技数も過去最大。パラリンピックの歴史で大きな節目になる大会になる」とあいさつ。また北京五輪組織委の劉淇会長は「パラリンピック開催は、世界が中国を信任した証しと考え、大会を成功させたい」と述べた。

 アトラクションでは5月の四川大地震で被災し、左脚を失った李月さん(12)が、華麗な舞を披露した。バレリーナを志していた李さんが聴覚障害者の踊り手や、中国人男性バレエダンサーの支援を受け「決して終わらないダンス」と題したパフォーマンスを演じた。

 地元報道によると、李さんは四川省北川県の曲山小学校で地震にあい、学校が倒壊してコンクリート片に左脚が挟まり、地震発生から70時間をへて救出された。だが左脚のけがは重く、西安市で治療を受けた後は北京市内でリハビリに励み、中国国内では「バレエ少女」として大きく報じられたという。

 上半身でバレエの動きを見せ、最後は男性バレエダンサーに車いすから高々と掲げられた李さん。観客席からは、ひときわ大きな拍手を受けた。

 ○…聖火の最終点灯者は、地元・中国の陸上選手で04年アテネ大会の男子走り高跳びでは3大会連続の金メダルを獲得した候※さんが務めた。左脚のない候さんは、車いすで登場。ワイヤーで釣られながら、ロープを頼りに両腕の力でよじのぼるパフォーマンスを見せた。時々肩で息をして休みながらも、高さ約60メートルの国家体育場の屋根下にある聖火台の着火地点に到達した侯さん。トーチをかざすと火は一気に駆け上がり、2週間前の五輪閉会式で一度は炎が消えた聖火台に、再び火がともった。

(※は「文」へんに「武」)

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080907-00000004-mai-spo