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2008年09月07日(日) 15時05分

主婦の9割が節約意識 買い物でケチケチ作戦J-CASTニュース

 不景気の中で、毎月のように上がる食品価格。そこで、値上げ前に冷凍庫に詰め込んだり、複数のスーパーを渡り歩いたり…。主婦の9割が節約意識を持ち、こんな行動もしていることが浮き彫りになっている。それを反映してディスカウントストアは大賑わいだ。

■節約にサイトを役立てる利用者が増える

  「お昼代はばかにならないので、お弁当を作ったり、おにぎりを作っておかずやスープだけ買ったりしています」(23歳OL)
  「食品が高くなってから食費を見直し、旬の野菜を安い時に大目に買うようにしました。下処理して後は全部冷凍です」(37歳無職女性)

 これらは、情報サイト「クチコミランキング」で、食費の節約術コーナーに寄せられた声だ。ネット上を検索すると、「節約」をテーマにしたサイトが次々に出てくる。

 急激な物価上昇は、確実に家計を直撃しているようだ。マーケティング会社のハー・ストーリィが2008年8月28日にまとめた調査によると、主婦500人余のうち8割が家計のひっ迫感を訴え、9割が節約を意識していると答えたというのだ。そして、最も心がけている節約行動について、「買う量や数を減らす」が3割を占め、続いて「特売日に買う」「安い商品をまとめ買いする」などが挙げられている。

 チラシ検索サイト「毎日特売」を運営するナビットでも、コンシューマー事業部の担当者が、節約にサイトを役立てる利用者が増えたと明かす。

  「新聞の折込チラシと違って、近所以外の特売情報も分かります。そこで、夫が勤める会社近くのスーパーのちらしを検索し、夫に電話して『特売品を買ってきて』と頼む主婦の例もよく聞きますね」

 また、特売品をうまく料理に生かす人も多いようだ。

  「イトーヨーカドーで、特売の安い卵を買ったとします。そして、サイトで、卵を使った料理レシピを検索するんですよ。さらに、いくつか特売品を組み合わせた料理を検索する人もいます」

 同社が06年4月にサイトを立ち上げたころは、チラシを集める特派員の主婦は50人ほど。しかし、今では、300人ほどもいるという。

■ディスカウントストアは盛況

 一方、スーパーなど販売サイドは、主婦らの節約ニーズに対応しようと懸命だ。

 イトーヨーカ堂は、東京・足立区の西新井店を業態転換し、同社初のディスカウントストア「ザ・プライス」第1号店として、08年8月29日にオープンさせた。イトーヨーカドーとの違いは、販売価格を1〜3割ほど安くした点にある。低価格は、商品数を半分ほどに絞り、代わりに1商品当たりの仕入れを増やすなどして実現した。

 また、食料品の売り上げを8割にまで高めた。お金のかかる外食を避けて、手作り料理や惣菜などで済ます「内食」にする人が増えているためだ。通常のディスカウントストアのメインとなる衣料品・住関連品は、購入を控える傾向で苦戦しているため、必要最小限にとどめてある。

  「初日は、開店前に700人が並び、終日レジに列ができるようなにぎわいでした。売り上げも、予想より2割増しでしたね。一週間たっても、順調に推移しています」

 ヨーカ堂などを抱えるセブン&アイ・ホールディングスの広報センターでは、こう話す。

 食料品需要に応えようと、セブン&アイでは、傘下の食品スーパー「ヨークマート」などを2011年までに、全体の3割に当たる約70店を出店する計画だ。広報センターでは、「ディスカウントストアと違って、グレードの高いものまで、幅広く品揃えします。少子高齢化で、量を多く食べるよりも、少ない量でなるべくおいしいものを食べたいというニーズもあります。エリアがかぶらないようにして、業態を使いわけていきたい」としている。

 さらに、家庭中心の食生活を豊かにする狙いだ。消費者の節約行動が、外食寄りから転換させるほどのインパクトを流通業界に与えているようだ。


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