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2008年09月07日(日) 19時11分

うちは大丈夫?!週末返上で確認作業 汚染米問題で小売・外食業界産経新聞

 大阪市北区の米粉加工販売会社「三笠フーズ」が発がん性のカビが生えたりした事故米を食用に不正転売した問題で、食品加工や外食業界では週末を返上して仕入れルートの確認に追われる企業が相次いだ。ただ、農水省と同社が転売先や商品名を公表していないため、確認作業が難航している会社も多く、「お客さまの不安を考えれば一刻も早く公表すべきだ」と批判の声が相次いでいる。

  ■写真■謝罪する三笠フーズ社長

 三笠フーズと農水省は健康への影響は限定的として、事故米混入の恐れがある商品について「九州地方のメーカーが製造した焼酎のほか、せんべいや和菓子など米菓」という情報だけしか公表していない。商品名に関する具体的な説明は一切なく、各企業は商品ごとに仕入れルートを確認して顧客に説明するしかない状況だ。

 さらに問題が発覚したのは金曜日の午後だったため、各企業の仕入れ担当者らが6、7日の週末を返上して確認に追われた。大阪市北区の百貨店「大丸」の運営会社では食品バイヤーの担当者数人が「他の仕事を放っておいても、最優先でやらなければいけない」と休日出勤して確認作業を行った。

 しかし商品名が分からず難航。担当者は「こだわりの商品しか扱っていないので大丈夫と思うのだが…。お客さまに尋ねられても十分な回答ができず困っている」と気をもんでいた。

 流通した事故米が九州と近畿地方の仲介業者や米穀店の間で転売が繰り返されたことも確認作業を難しくしている。外食チェーンの「がんこフードサービス」(大阪市淀川区)は直接の取引はないことが分かったが、系列店で20〜30種類の焼酎をメニューに載せているため、原料に使われたかどうかの確認は仕入れルートをたどるしかなく、確認に時間がかかっているという。担当者は「一番情報を持っている三笠フーズや農水省が商品名を明かせば済む話だ」と憤った。

 鶏肉やウナギの偽装など食の安全を揺るがす事件が相次ぎ、食材の安全性を問い合わせる手順が確立されてしまった企業もある。

 航空機の機内食製造販売会社「エイエイエスケータリング」(大阪府泉南市)も調達部の社員が6日に仕入れルートの確認のため出勤した。「食品偽装が相次いでいるので仕入れ先への問い合わせ作業はマニュアル化している。今では日常業務の延長というくらいの認識になった」と話した。

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