記事登録
2008年09月07日(日) 10時14分

メタミドホス米430トン販売 伝票上だけの架空取引で隠蔽?産経新聞

 米加工販売会社「三笠フーズ」(本社・大阪市、工場・福岡県筑前町)が、有機リン酸系殺虫剤メタミドホスが検出された中国米など事故米を食用に不正転売していた問題で、不正転売した中国米は計430トンに上り、伝票上だけ2業者を経由した形で米穀会社に出荷されていたことが6日、農林水産省の調べや関係者の話で分かった。同社が、不正転売の隠蔽(いんぺい)工作のため販売経路を複雑化した可能性があり、農水省は詳しい事実関係を調べている。

 三笠フーズをめぐっては、これまでに農水省から工業用の糊(のり)用として購入した事故米穀1779トンのうち、メタミドホスが検出された中国産米295トンと、発がん性のあるカビ毒アフラトキシンB1が検出されたベトナム産などの精米4トンを食用に転売していたことが明らかになっている。

 しかし、その後の同省の調べで、メタミドホスが検出された事故米穀の販売量は、合計で430トンに上ることが判明。ただ、そのうちの135トンは流通途中で、複数の米穀会社で在庫として残っており、295トンだけが一般に流通した可能性が高いという。

 また、430トンについて、三笠フーズは福岡と熊本両県の米穀会社に直接出荷したが、会計記録や伝票上では2業者を経由。三笠フーズから佐賀県の仲介業者に販売され、さらに福岡県の仲介業者に転売されたうえで、2つの米穀会社に売られた形になっていた。

 出荷実体のない取引について農水省は、同社が事故米穀の出荷元であることを隠すため、意図的に販売経路を複雑化した可能性もあるとみて、同社や仲介業者などから事情を聴く方針。

【関連記事】
食用転売米穀は接着剤の材料 悪質さ際だつ三笠フーズ
事故米流用「本社は関与していない」 三笠フーズ本社社員
中国産「事故米」せんべいに転用 メタミドホス検出
【主張】汚染米の転売 農水は事後監視の徹底を
農薬汚染米食用転売 混入割合は1割前後 変色などで不正発覚恐れる

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080907-00000906-san-soci