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2008年09月07日(日) 03時07分

汚染米転売で利ざや、298トンで1500万円読売新聞

 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が、工業用の「事故米」を食用に転売していた問題で、同社は現時点で食用への転用が確実とみられる約298トン分の取引だけで1500万円前後の差益を得ていた可能性があることが6日、分かった。

 農林水産省によると、カビ毒「アフラトキシン」が検出されたうるち米の場合、9トンをわずか4万円で購入しており、安く仕入れた事故米を焼酎メーカーなどに転売して利ざやを稼いでいたとみられる。

 同省によると、事故米の価格は、管理する各農政事務所職員が米の劣化状況などから見積もり、入札や随意契約などで業者に売却するという。事故米の中でも、残留農薬の濃度が高かったり、品質が著しく悪かったりして食用に適さない「工業用」は特に安い。

 同社の場合、2003〜08年度、53回にわけて計約1779トンの事故米を約1946万円で購入。このうちカビ毒「アフラトキシン」が検出されたうるち米9トンを4万円で、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が基準値の5倍(0・05ppm)の濃度で検出された中国産のモチ米800トンを712万円で購入しており、平均単価は1キロ約8・8円となる。

 一方、焼酎や菓子、みそなどの原料として売買される加工用米は産地によって値段にばらつきがあるが、政府が関税・貿易一般協定(ガット)のウルグアイ・ラウンド合意に沿って輸入し、毎月販売している「ミニマム・アクセス(MA)米」の場合、相場は1キロ当たり100円前後。

 同社では、事故米を1キロ70〜50円で売ったと説明しており、この通りなら、不正転売が確認された約298トンの取引で得た差益は、約1800万〜1200万円に上る計算になる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080907-00000002-yom-soci