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2008年09月06日(土) 21時12分

<事故米転売>10年以上前から? 買収企業の手法引き継ぐ毎日新聞

 米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が殺虫剤やカビに汚染された米を食用として転売していた問題で、同社九州工場の宮崎雄三前所長(49)は6日、97年に同社が買収した米穀・飼料販売会社が以前から転売を繰り返し、三笠フーズがその手法を引き継いでいたことを明らかにした。10年以上前から事故米が食用に出回っていた疑いが浮上し、大阪府警と福岡県警は食品衛生法違反の疑いもあるとみて、情報収集を始めた。

 宮崎前所長によると、買収した会社は福岡県大刀洗(たちあらい)町の宮崎商店で、宮崎前所長の父親(76)が創業した。父親は同商店が買収されて以降、三笠フーズ九州工場所長に就任し、同社に事故米の転売を提案したという。三笠フーズの冬木三男社長(73)も転売に同意し、社内に指示した。

 その後、三笠フーズは主体的に転売を進め、常態化していったという。事故米と正規米を混ぜて販売していたが、100%事故米だったこともあった。

 今回、三笠フーズが不正を隠すために二重帳簿を作成していたことも発覚した。農林水産省に提出する帳簿は事故米を工業用に出荷したように伝票を偽造する方法だった。

 一方、冬木社長も6日の会見で「(事故米の取り扱いは)10年前ごろに別会社を買い取ってから始めた。その会社側の人間から、買い取って数年後に転用について教えられた。私から(転売を)指示していた」と同様の事実関係を認めた。その上で「経営が厳しくてついやってしまった」と利ざやを稼ぐことが目的だったと謝罪した。両府県警は、農水省からの告発を受け次第、事故米転売をめぐる不正の実態解明に乗り出すとみられる。【松尾雅也、山田宏太郎】

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