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2008年09月06日(土) 11時45分

農薬汚染米食用転売 三笠フーズ社長が指示認める産経新聞

 有機リン系の農薬成分メタミメタミドホスなどが基準を超えて残留していたため、政府が事故米として工業用に限定していた輸入米を、米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が、「食用」として焼酎などの原料に不正転売していた問題で、同社の冬木三男社長は6日午前、記者会見し、「国民の皆さまに多大な迷惑と心配をかけ、心よりおわびします」と謝罪するとともに、転売や二重帳簿の偽装工作を指示したことも認めた。

 コメは、焼酎などの原料になったほか、せんべいなどの米菓に使われていた恐れも指摘されているが、三笠フーズの本社社員は5日、報道陣に「焼酎の発酵用のコメに混入していた」と認める一方、米菓に使われた可能性は否定した。

 さらに、原料不足の穴埋めや転売の利ざやを目的に、九州事業部の元部長が混入したと説明、「現場の判断だった」として本社の関与については否定した。

 これに対し、名指しされた九州事業部の元部長は、取材に「冬木社長の指示だった」と答えていた。

 問題のコメは、九州の焼酎メーカー4社が購入。大阪、京都などの米穀店や仲介業者も購入したとされるが、農林水産省は「健康被害がない可能性が高く、無用の混乱を招く」などとして、具体的な社名や商品名を公表していない。

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