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2008年09月06日(土) 08時01分

汚染米を食用転売 大阪業者、299トン「菓子や焼酎」産経新聞

 コメ加工販売会社「三笠フーズ」(本社・大阪市、工場・福岡県筑前町)が、基準値を超える農薬やカビが検出され非食用とされた「事故米穀(べいこく)」を食用として販売していたことが5日、農林水産省の調べで分かった。基準値の5倍の有機リン系殺虫剤メタミドホスが検出された中国米など299トンを販売していた疑いが強い。農水省は同日、三笠フーズに回収を要請し、同社も応じる姿勢を示した。農水省は近く食品衛生法違反罪で刑事告発する方針。

 農水省によると、同社は政府から平成15〜20年度に、「事故米穀」とされた精米や玄米1779トンを工業用の糊(のり)用として購入。そのうち、基準値の5倍に当たる0・05PPMのメタミドホスが検出された中国産もち精米295トンを、せんべいなど米菓の材料として佐賀県の仲介業者に転売した疑いがある。

 また、カビの一種である発がん性物質アフラトキシンB1が検出されたベトナム産うるち精米など約4トンを焼酎の材料などとして、鹿児島の焼酎メーカーなど5社に販売した疑いも浮上しているという。

 こうしたコメは、鹿児島や福岡、京都など計20業者が扱った記録が確認されており、西日本一帯で流通した可能性がある。

 また、ほかにも中国米など510トンから同程度のメタミドホスやアフラトキシンB1が検出されているが、一般には流通せず在庫として保存されている。残る950トン以上については、販売先や用途は不明。

 同社は一部の不正販売を認め「自社で残留農薬を分析し、基準値以内だから販売してもいいと思った」と説明しているという。

 不正転売された中国米は、国際社会で輸入が義務づけられているミニマムアクセス米。輸入食品についてメタミドホスの規制が始まる以前の平成15年度に輸入されたコメだった。

 三笠フーズの冬木三男社長は農水省の調査に「違反に当たることは認識していた」と話しているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080906-00000095-san-soci