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2008年09月06日(土) 12時19分

<事故米転売>三笠フーズ社長、危険性を認識 会見で謝罪 毎日新聞

 「すべて私の責任です」「経営が厳しくて、つい……」。殺虫剤や発がん性のカビ毒に汚染された事故米を食用に転売した米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)。そのトップが問題発覚から一夜明けた6日午前、ようやく姿を見せ謝罪した。冬木三男社長(73)は会見で、自ら転売を指示していたことを認め謝罪。消費者の安全を顧みない不正行為が社長以下、組織ぐるみで繰り返されていたことが明らかになった。

 スーツ姿の冬木社長は社員や弁護士とともに会見に臨んだ。報道陣約50人を前に冒頭、「ご迷惑をおかけしました」と頭を下げた。矢継ぎ早に次々と質問が飛ぶ中、はっきりとした口調で丁寧に応えたが、細かな質問には「記憶が混乱している」と述べ、言葉を詰まらせる場面もあった。

 冬木社長は問題が発覚した5日は、いったんは大阪市北区の本社に出勤したものの、午後1時ごろに外出。同3時ごろ、農水省の発表で報道陣が次々と駆けつけたが、対応した社員は「社長と連絡が取れない。弁護士とは話をしているようだが…。週明けに会見する予定」としか説明できなかった。

 ◇会見の一問一答

 冬木社長の記者会見でのやり取りは次の通り。

 (冒頭)この度は皆様に多大なるご迷惑と心配をおかけしました。現在、農水省の指導で製品の回収をしています。

  −−危険性の認識は。

 ◆持っていた。深く反省している。

 −−隠ぺいの意図は。

 ◆ない。九州の担当者に一任していたので、本社の社員は知らない。

 −−社長の指示は。

 ◆私から指示していた。決裁にオーケーを出した。

 −−二重帳簿は事実を隠すためか。

 ◆はい。

 −−転用はいつからか。

 ◆5、6年前からやっていた。

 −−事故米の取り扱いはいつからか。

 ◆10年前ごろに別会社を買い取ってから。その会社側の人間から、買い取って数年後に転用について教えられた。

 −−除去したから安全と言うが、何をしたのか。

 ◆目視や精米機にかけ、カビを完全に除去した。

 −−安全性についてどう考えるか。

 ◆すべての事故米を外部機関で検査した。

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