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2008年09月06日(土) 01時02分

<事故米転売>業界「最悪の事態」、消費者団体は行政批判毎日新聞

 コメを使う加工食品の業界団体に驚きと困惑が広がった。また、消費者団体からは食品業界や行政への不信をあらわにする声が上がった。

 「食の安全が叫ばれている時に論外の出来事。何てことをしてくれたのか」。日本酒造組合中央会(東京都港区)の小野博通理事は怒った。同会は、清酒や焼酎の蔵元など約2000業者で構成され、今回転売先となった焼酎メーカーも属している可能性がある。

 せんべいやおかきなどのメーカー約500社で組織する全国米菓工業組合(同区)は、幹部が急きょ農林水産省に出向いて情報収集。今井教夫顧問は「米菓に使われているのかどうか……」と不安を隠さない。

 全国各地でコメのブランド化事業を手掛ける米穀店「スズノブ」(東京都目黒区)の西島豊造社長(45)は「最悪の事態だ。今年は食への不信感が高まる中でお米が見直され、米屋も元気が出始めていた。米業界も菓子、焼酎業界も停滞しかねない。どうやって信用を取り戻したらいいのか」と語気を強めた。

 また、日本消費者連盟(東京都新宿区)の富山洋子・代表運営委員は「業者はもちろん許せないが、さらにそれを見逃していた行政の手ぬるさにも怒りを覚える。食品偽装が続いて農水省は取り締まりを強化しているというが、形ばかりなのか」と批判した。

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