記事登録
2008年09月05日(金) 13時23分

Dell、人気のネットブック市場にいよいよ参入japan.internet.com

インターネット利用に特化した低価格の超小型ノートパソコン、すなわちネットブックの人気が高まっているが、パソコン大手の Dell もついに参入した。4日に発表した『Inspiron Mini 9』は、8.9インチの液晶画面を備え、人気の『Linux』ディストリビューションを OS として搭載したモデルが最小構成で349ドル、『Windows XP』を搭載したモデルが最小構成で399ドルという価格設定で、両モデルとも半導体ディスク (SSD) を標準装備するほか、Box.net のオンライン ストレージも利用できる。

ネットブック市場に先鞭を付けたのは ASUSTeK Computer (ASUS) の『Eee PC』で、さらに Hewlett-Packard (HP)、Acer、MSI、Lenovo の各社が後に続いた。今回の Inspiron Mini 9 投入により、ようやく Dell も同市場に参入した格好だ。

最小構成モデルの重量が1kg 強の Inspiron Mini 9 は、長く発売の噂が絶えなかった製品で、ネットサーフィンやチャットを楽しむほか、Eメールや動画共有サイト『YouTube』をチェックしたり、生産性スイートを使った簡単な作業を行なうのに適している。

一般的なキーボードの最上段にあるファンクションキー列の省略を除き、Inspiron Mini 9 の仕様は数ある競合製品と十分張り合える内容だ。光沢のある8.9インチの液晶画面は1024x600ピクセルの解像度があり、ほとんどの Web サイトを横スクロールすることなく表示できる。また、心臓部には Intel の1.6GHz 動作版シングルコア プロセッサ『Atom N270』を搭載し、2MB のレベル2キャッシュ、オンボードのグラフィック チップセット『GMA 950』を備えている。

最低価格の349ドルのモデルは、『Ubuntu Linux 8.04』に Dell のカスタム版ユーザー インターフェースを組み合わせたものが操作環境となる。これは、競合相手の ASUS や Acer が、それぞれ『Xandros』および『Linpus Linux』のカスタム版を搭載していることと、よく似たアプローチだ。

Dell のネットブック市場参入はもちろん、同市場に Ubuntu が登場することも、かねてより予見されていた。Ubuntu は以前から、ネットブック市場に参入するとの計画を示していたからだ。

Inspiron Mini 9 の Ubuntu Linux 搭載モデルは、一般的なハードディスク ドライブの代わりに SSD ドライブを採用している。SSD の容量は最小構成時で4GB だ。また、512MB のメモリ (最小構成) と『IEEE 802.11g』に対応した Wi-Fi 機能を標準で備える。同モデルは、数週間以内に出荷となる予定で、現在は先行予約を受け付けている。

Inspiron Mini 9 にはこのほか、OS として『Windows XP』を搭載し、4日の発表と同時に販売を開始したモデルがある。基本的な仕様は Ubuntu Linux 搭載モデルと同じだが、最小構成時のストレージ容量が異なり、SSD は Ubuntu Linux 搭載モデルに比べて倍の8GB となっている。XP 搭載モデルの最小構成価格は439ドルだが、現在は割引価格399ドルで販売中だ。また、発注時のカスタマイズの手間を省き、ストレージとメモリの容量を倍に増やしたモデルも、504ドル (割引価格449ドル) で販売している。なお XP 搭載モデルは、30万画素の Web カメラが標準装備だ (Ubuntu Linux 搭載モデルではオプション設定)。

【関連記事】
SSD 搭載モデルも登場、デルが法人向けモバイル新「Latitudo」発表
Dell の第2会計四半期決算、事業の急拡大がたたって増収減益
クラウド コンピューティング環境整備への取り組みが加速
世界サーバー市場、第2四半期も依然堅調
Intel、『Atom』プロセッサの次世代版を早くも発表

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080905-00000009-inet-sci