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2008年09月05日(金) 06時28分

上智大生殺害から12年 時効まで3年、犯人逮捕待つ遺族東京新聞

 東京都葛飾区で1996年9月9日夕、上智大4年小林順子さん=当時(21)=が自宅で刺殺、放火された事件は、間もなく発生から12年となる。公訴時効まで3年。遺族は犯人逮捕の知らせを待ち続けている。

 父賢二さん(62)は「今でも当時のことを克明に覚えている」と話す。出張先の栃木県から帰宅する途中に「自宅が火事になった」と、同僚の携帯電話に会社から連絡が入った。慌てて帰宅した直後に警察の車に乗せられ、順子さんが事件に巻き込まれて死んだと聞かされた。「混乱して何が起きたのか理解できなかった」

 焼失した自宅は今も更地のままだ。賢二さんは近くにマンションを購入、毎朝、仏壇に手を合わせる。母幸子さん(62)は今も順子さんの食事の用意を欠かさない。

 ここ数年、警察からの連絡はほとんどない。「いい手掛かりはないのか」と落ち込んだり、時効のことを考えたりする。賢二さんは「残り3年だな、という切迫感を今までより強く感じている」という。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008090501000021.html