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2008年09月04日(木) 14時19分

横尾・最高裁判事が退官へ、任期2年7か月残し読売新聞

 最高裁は4日、横尾和子判事(67)について、内閣に依願退官の手続きを取ったと発表した。

 70歳の定年まで約2年7か月の任期を残していたが、既に在任期間が約6年9か月と現職の最高裁判事の中で最も長くなっており、「事件処理の区切りもつき、重責から離れることにしたい」として退官を申し出たという。

 最高裁判事が任期途中で辞めるケースは、2001年に依願退官した大出峻郎氏(死去)以来で10人目。横尾判事は、閣議を経て、天皇陛下の認証により退官する。行政官出身のため、後任の人選は内閣で進められる。

 横尾判事は1964年に厚生省(現・厚生労働省)に入省し、94年〜96年に社会保険庁長官を務めた。アイルランド大使を経て、2001年12月、最高裁判事に就任。最高裁で唯一の女性判事として、今年6月にはNHK教育テレビが放送した戦争特集番組の改編を巡る民事訴訟の判決で裁判長を務めた。また、国籍法の規定を違憲とした同月の大法廷判決では、合憲とする反対意見を述べた。

 元社保庁長官の経歴を巡り、年金記録漏れ問題の責任を問う声もあったが、最高裁は「退官とは直接関係ない」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080904-00000023-yom-soci