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2008年09月04日(木) 00時09分

<障害手帳不正>医師宅など捜索 北海道警毎日新聞

 聴覚障害の障害者手帳不正取得問題で、北海道警生活経済課などは3日、札幌市中央区の耳鼻咽喉(いんこう)科医、前田幸※(よしあき)医師(73)が診断書に実態と異なる記載をした疑いが強まったとして、自宅や医院など関係先を虚偽診断書作成容疑で家宅捜索した。前田医師は疑惑を全面的に否定している。

 捜索を受けたのはこのほか、前田医師に患者を紹介した芦別市の元労組幹部(67)ら仲介者数人の自宅など。また、札幌市などへの診断書の申請を代行した同市西区の社会保険労務士(67)についても、行政書士法違反容疑で自宅を家宅捜索した。

 これまでの調べでは、前田医師は94年以降、828人の聴覚障害手帳取得にかかわり、その大半を両耳が全く聞こえない最重度の聴覚障害2級と診断した。しかし、道警が約300人から事情を聴いたところ、多くが不正を認めているという。

 市と道は3日、虚偽診断書作成容疑で前田医師を道警に告発した。この問題を巡っては、不正情報が道に寄せられていたにもかかわらず、関係職員が放置していたことも判明。高橋はるみ知事は「責任の取り方を真剣に考える」と話した。【大谷津統一】

 ※は「日」の下に「立」

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