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2008年09月04日(木) 02時30分

<エコノミー症候群>岩手・宮城地震で8人に血栓毎日新聞

 岩手・宮城内陸地震(6月14日)で、被害が大きかった宮城県栗原市の被災者8人に、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓(そくせん)症)の症状である血栓が見つかった。調査にあたった新潟大大学院助教の榛沢(はんざわ)和彦医師は、地震から2カ月半が過ぎても仮設住宅で不自由な生活を強いられる被災者の精神的疲労が大きい現状を指摘。「困窮している人を助ける仕組みが必要だ」と訴えている。

 榛沢医師は8月30日、栗原市内で被災者を対象に検診を実施。44〜89歳の受診者29人中8人(27・6%)から血栓が見つかった。8人はいずれも仮設住宅暮らし。6〜7月に同様の検診をした際も、うち6人は血栓が見つかっていた。

 榛沢医師は「通常の血栓頻度は2%程度で、非常に高い割合。地震が原因であることは間違いない。仮設生活や被災に伴う生活苦で引きこもっている人が多いのではないか」という。

 04年10月の新潟県中越地震では、エコノミークラス症候群が原因とみられる死亡例が3件あった。また、07年7月の中越沖地震の被災地では、今年8月の検査でも、受診者の5・2%(14人)から血栓が見つかった。【渡辺暢】

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