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2008年09月03日(水) 13時58分

お札風呂から脂取り紙、トイペまで…お札グッズブームの深層ダイヤモンド・オンライン

 サブプライム問題、原油高に始まり、相次ぐ企業倒産など、このところ景気先行きへの不安材料を耳にしない日はない。そもそも、つい先ごろまで言われ続けた戦後最長の景気拡大にしても、庶民には好景気の実感は無かったのに、気がつけば景気後退である。そんな中、たとえ夢でもいい。一度は富裕層になってお金持ちの気分を味わいたい、というささやかな願望を反映した商品が静かなブームを呼んでいる。

 最近、お札をモチーフにした商品を目にする機会が増えた。2008年2月に発売されたバンダイ「バブリーバブルバス」は、「お札風呂」が体感できる入浴剤だ。片面に一万円札をイメージした絵柄がプリントされた紙状になっており、浴槽に一枚ずつ散らして湯に浸かれば、お札に囲まれて入浴する富豪の気分を味わうことができる。

「当初、男性をターゲットにしていましたが、プレゼントなどへの用途も多く、幅広い層にご好評いただいております」(バンダイ 広報チーム)。

「バブリーバブルバス」は発売以来、累計販売個数70万個と好調に推移している。この好調を受け、バンダイは第2弾商品として「あぶらとり紙 拭沢油吉(ふくざわゆきち)」を5月から発売。こちらはお札をイメージした印刷が施されているあぶらとり紙。紙製のサイフ型ケースが付属しており、ケースからお札風の紙を取り出して顔の油を拭う商品だ。

 他にも、お札をモチーフにした商品は続々登場している。たとえば、お札柄の扇子。札束を扇のように広げてあおいでみたい、という願望なのか。さらに、ハンカチ、メモ帳、トイレットペーパー、など多種多様なお札グッズが発売されている。

 東急ハンズ・渋谷店では、お札モチーフ商品を集めた特設コーナーも設置(*)。売り場では、傍を通る子どもから大人までが面白そうにお札グッズを手に取る姿が見られる。

 ところで、先の入浴剤「バブリーバブルバス」は、浴槽に入れてから数分経過すると、お札は湯の中に溶けて消えてしまう。あとは、シャワーを湯の表面に当て泡立たせることで、お札風呂は泡風呂に変化する。まさに、「バブリーバブルバス」には「あぶく銭は身に着かない」という人生訓が凝縮されているかのようだ。とはいえ、たとえあぶくだとわかっていても、お金持ちの気分は味わいたい。お札をモチーフにした商品には、庶民の儚い夢が見え隠れする。

(江口 陽子)

(*)2008年8月末現在

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