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2008年09月02日(火) 15時31分

強まる解散風 10月か年明けか産経新聞

 福田康夫首相の辞任表明を受け、衆院の年内解散・総選挙の流れが一気に加速されそうだ。新首相誕生のインパクトを最大限に生かそうとの思惑で、10月解散−11月総選挙との見方も出始めた。

 ■ご祝儀相場

 新首相は自民党総裁選終了後、9月下旬に開かれる臨時国会で選出される。

 新首相誕生後は内閣支持率が急上昇する。この“ご祝儀相場”を最大限生かすためには、臨時国会冒頭の所信表明演説−代表質問を経て10月上旬にも解散に打って出るというシナリオがある。

 ただ、すでに編成作業に入っている平成20年度補正予算案の成立は景気対策の面から喫緊の課題だ。「政治闘争にかまけて国民生活をおろそかにできない」(与謝野馨経済財政担当相)として、補正予算成立を新政権の実績に衆院選に臨むとの見方が強い。

 野党が過半数を占める参院で補正予算案の審議が長引けば、「話し合いたいと思っても、受け付けてもらえない」(首相)民主党の理不尽さをアピールすることもできる。補正予算案は衆院通過後30日で自然成立するため、遅くても11月上旬には成立する見通しだ。

 ただ、野党が補正予算成立に協力、11月を待たずに「話し合い解散」になる可能性もある。民主党内には、大安である「11月23日投票」説も流れ始めた。

 ■公明の思惑

 年内の衆院解散・総選挙に踏み切った場合、税制改革論議は棚上げにされ、21年度予算編成は見切り発車となる可能性がある。公明党が求める定額減税の実現も微妙になってしまう。

 このため、公明党内では首相の辞任表明前まで、年内解散を求める声がある一方で来年1月の通常国会冒頭で定額減税法案を処理した上で解散し、早々の総選挙が「ベスト」(幹部)との声もあった。「自民党はもはや(公明党の支持母体の)創価学会なくして選挙を戦えず、言うことを聞かなければならなくなっている」(小沢一郎民主党代表)との見方は根強く、年明け解散の可能性も残されている。

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