記事登録
2008年09月02日(火) 19時35分

外務省機密漏えい国賠訴訟、元毎日記者・西山さんの敗訴確定読売新聞

 沖縄返還を巡る外務省機密漏えい事件で国家公務員法違反罪に問われ、1978年に有罪判決が確定した元毎日新聞記者、西山太吉さん(76)が、「不当な起訴で名誉を傷つけられた」などとして国に損害賠償と謝罪を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長)は2日、西山さんの上告を棄却する決定をした。

 西山さんの敗訴が確定した。

 西山さんは71年、「日本政府が米軍基地の原状回復補償費400万ドルを肩代わりする」との「密約」の存在を示す文書を外務省の女性職員から入手して報道。秘密漏示をそそのかしたとして起訴され、最高裁で懲役4月、執行猶予1年の有罪判決が確定した。

 西山さんは今回の訴訟で、米国でその後開示された公文書や外務省元局長の証言から密約の存在が明らかになったと主張したが、1審・東京地裁判決、2審・東京高裁判決は密約があったかどうかは判断せず、「不法行為から20年が過ぎれば損害賠償請求権は消滅する」という民法の規定を適用し、請求を棄却した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080902-00000043-yom-soci