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2008年09月02日(火) 14時11分

【福田退陣】疲れ切った印象 起死回生か産経新聞

 突然1日に辞任を表明した福田康夫首相。辞任の理由を「新しい布陣の下で」と述べたが、同日夜の記者会見では理由が分からない。識者からは「国民が一番困っている」と痛烈に批判する声が上がる一方、ねじれ国会などから「疲れ切った印象」「起死回生か」との観測が流れた。

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 政治評論家の小林吉弥さんは「福田さんは最初から強く望んだのではなく、党内各派閥から担がれて首相のいすに座った。リーダーシップが取れずに疲れ切ったという印象だ。期待していた洞爺湖サミットでも支持率は上がらず、この状態で国会入りして政権運営を続ける自信がなくなったのだろう」と感想を述べた。
 漫画家の弘兼憲史さんは「今の福田政権では、自民党は民主党に選挙で負けてしまうと考え、起死回生で、大きく雰囲気を変えて新しい布陣で臨むのが必要と判断したのだろう」と推測。「首相として福田さんが何かをしたイメージはない。内閣改造もインパクトはなかった。国民的人気を考えると次は麻生太郎さんだろうが、小池百合子さんを官房長官にするぐらいの花火を打ち上げないと、民主党の小沢一郎代表との戦いに勝てないだろう」と話し、今回の辞任劇が自民党にプラスにならないとの見方をした。
 政治アナリストの伊藤惇夫さんは「色々な意味で追いつめられた結果の辞任だと思う。最後の切り札だった内閣改造でも支持率は上がらなかった。党内や公明党から追いつめられ、やりたいこともやれず、臨時国会を乗り切る自信を失った結果では」と“政権投げ出し”との見方を語った。
 漫画家のやくみつるさんは「国民としては早く衆院を解散してほしいところだが、現実の選択肢は自民か民主しかない。民主の体たらくを見ると、国民が一番困っているという構図が見える」と分析した。

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