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2008年09月02日(火) 14時14分

【福田退陣】「無責任極まる」 財界反応産経新聞

 福田康夫首相の電撃辞任表明を受けて、日本経団連の御手洗冨士夫会長は「政府・与党には多くの課題に対処するため、一致団結して速やかに新体制を構築し、必要な改革を国民に示すべきだ」と苦言を呈した。日本商工会議所の岡村正会頭も「突然の辞任に驚きを禁じ得ない。臨時国会を目前に控え、諸改革の実行がこれからだけに、残念なこと」と指摘し、財界トップ2人が失望の色をにじませた。

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 同様に関西経済同友会の中野健二郎代表幹事は、「海外諸国は、わが国が内向きの政治に明け暮れている様を奇異の目で見ている」と指摘。下妻博・関西経済連合会会長は「国内外の問題が山積するなか、政治の混乱は避けてほしい」とクギを刺したほか、経団連副会長で新日本石油の渡文明会長は「総合経済対策の実現を期待していただけに残念」と景気への悪影響を懸念する声も上がった。
 自民党政権と経済界は、蜜月関係を築いてきたが、昨年9月の安倍晋三前首相の退任に続く突然の辞任表明によって、政治不信に拍車がかかることは確実だ。税財政の抜本改革や揮発油税暫定税率の一般財源化など、政策課題が山積した中での退任劇だけに、一部からは「無責任きわまりない」(経団連関係者)との声があがったほか、「今回の対応は、自民党の政権担当能力が問われる」(大手メーカー広報)との厳しい見方も出た。
 これまで、産業界では民主党に対して、「政策、信条にばらつきがある」として、政権担当能力を疑問視する声もあったが、「一度政権を交代しなければ、改革は進まない」(大手企業首脳)と指摘する声もあり、今回の退陣劇で経済界の姿勢が変化する可能性もある。

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